初恋はイケメンヤンキー
__________



「じゃ、じゃあ、行ってくる」



「うん。がんばって!水沢くんならできるよ!」



「サンキュー」



「あたし、終わるまでここで待ってるから」



「おー」



水沢くんは緊張してるみたいだったけど、あれだけがんばってたんだもん。



大丈夫だよね。



がんばれ。



あたしは1人、放課後の教室で待つことにした。



何もすることがなくて、ただ時計をながめる。



時間経つのおそいなぁ。



今頃、水沢くんはがんばって問題を解いてるんだよね~。



がんばってほしいけど、がんばってほしくない。



自分の気持ちがわかんないよ...。



「あれっ?千夏?」



ービクッ



だ、誰!?



パッと振り向くと、ドアの前でキョトンとしている那智ちゃんがいた。



「な、なんだ那智ちゃんかぁ」



「なんだって...。ウチで悪かったわね」



「そ、そんなっ」



「ははっ。冗談よ、冗談」



「もう」



驚かさないでよ~。
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