初恋はイケメンヤンキー
「ところで、こんなとこで何してんの?」



「えっ?」



そっか、那智ちゃんには水沢くんのテストの日、教えてなかったんだっけ。



どうしよう。



ここは気を使ったほうがいいよね。



でも、水沢くんが戻ってきたときに「おつかれ」って迎えてあげたい。



「もしかして、水沢待ってんの?」



うっ。



なんでこんなときにまでカンがいいのよ~。



「うん」



「なんだ、それだったら言ってくれればよかったのにぃ」



え...?



嫌な予感がする。



「ウチが水沢のこと待ってるから、千夏は帰ってもいいよ」



ほら...。



あたしの嫌な予感はいつも当たるの。



「で、でも...」



「無理しなくてもいいよ。だって千夏、水沢のことずっと怖かったんでしょ?」



そ、そうだけど...。



でも、今は違うの。



怖いなんてこれっぽっちも思わなくなった。



「よく3週間も一緒にいれたね。千夏ってやっぱすごいよ」



無理して一緒にいたんじゃないの。



ただあたしが一緒にいたかっただけなの。
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