初恋はイケメンヤンキー
「別にいいけど…」



平野は少し拗ねてるようだったが、気にしなかった。



赤外線で日野の連絡先を送ってもらい、すぐにカバンを持った。



「サンキュ」



平野にお礼だけ言って、オレは教室を飛び出した。



早く日野に教えてやりたい。



日野のおかげでテストがすげーくらいできたこと。



メール、電話、どっちで知らせようか?



まぁ、どっちでも日野は驚くだろうな。



この際、日野に電話して、家まで行こうか?



いや、日野が嫌がるかも。



…って、別にそんな考えることじゃねーな。



電話しよう。



オレは下駄箱まで来て、1度立ち止まって息を整える。



「すー、はぁー。よしっ」



ートゥルルルルル



通信音が鳴る。



あー、緊張する。



ートゥルルルルル



…あれ?



取らねぇ。



知らない番号だからかも。



オレが通話を切ろうとすると、通信音が止まった。







急いで耳にあてる。



『も、もしもし?』



日野の声。



「もしもし。オレだけど」



『…水沢、くん?』



「うん。正解」



『あっ。そういえば那智ちゃんは?』



「あ、あいつ?置いて来た」
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