初恋はイケメンヤンキー
あたしは疑いながらも教室をグルリと見回した。



…。



「ええええー!!!」



「移動教室なんじゃね?」



「うそっ?!そんなはずは…」



あ。



黒板に変更って書いてある。



水沢くんとの話に夢中で気がつかなかったらしい。



「早く行かなきゃー!」



あたしは自分の席に戻り、授業の準備をして教室を出る準備をした。



「水沢くん!」



「あ?」



「昼寝なんかしないで、行こ!」



「…お、おう」



また机に突っ伏そうとしていた水沢くんを起こして、教室を飛び出す。



「間に合うかな?」



水沢くんの手を引きながら廊下を走るけど、全然間に合う気がしない。



なんでよりによってこんなときに1番遠い教室に移動なのよー!



「オレが間に合わせてやるよ」



「え?」



水沢くんの言葉を聞いて、思わず振り向くと…。



ーヒョイッ



「ひゃぁ!」



ふわりと体が宙に浮いた。
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