初恋はイケメンヤンキー
ーガラッ



「「え…」」



水沢くんとあたしの声が重なる。



「もう席空いてるとこそこしかないよね」



「たぶんな」



あたしが言いながら指指したのは1つの長机にイスが2つ置いてある席。



あ、あそこに座るの?



水沢くんと…。



「日野〜。早くしねぇと先生くるぞー」



「う、うんっ」



…って、水沢くんもう座ってるし。



緊張とか…するわけないよね。



だって水沢くんはあたしのこと好きじゃないし。



席に着くときにチラッと那智ちゃんのほうを見てみた。



うっ、「席変わって」オーラがすごい。



で、でもいくらそんなオーラを出されても、これだけは譲れないもん。



あたしが想うのは補習が終わるまでなんだから、これくらいいいよね?



ーキーンコーンカーン



チャイムと同時に先生が入ってきた。



水沢くんの隣は、肩が触れそうなくらい近くて緊張したけど、楽しかった。



今までだったら考えられない、授業中にノートでおしゃべりをした。



また水沢くんを好きになった。
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