初恋はイケメンヤンキー
水沢くんはシャーペンを握りしめたまんま、机に突っ伏していた。



ね、寝顔かわい〜!



…じゃなくて。



もしかしてだけど…。



あたしは恐る恐る水沢くんのプリントを覗き込んでみた。



予想的中。



水沢くんのプリントは、まだ半分しか解かれてなかった。



早く起こしてあげないと、いつまで経っても帰れないよ。



「水沢くん、起きて?」



試しに肩を揺すってみた。



「スースー」



う、うそ…。



相当眠りが深いらしい。



「みーずーさーわーくーん」



今度はブニブニとほっぺたをつついてみる。



「スースー」



お、起きない…!



ちょっ、どうしよう…。



他に起こす方法が思いつかないよ。



そっとしておこうかな。



あたしも待ってたらいいし。



それに、ちょっとでも長く水沢くんといれるし。



「ある意味運いいかもっ」



1人呟いて、お弁当を取り出した。



「いただきま〜す」



ーモグモグ…



あたしは自分でつくったお弁当を黙々と食べていく。



玉子焼きはあたしの大好物だから最後にとっておいた。



ほかの物を次々と口に運ぶ。



…さぁ玉子焼き!



……。



……。



「ないー?!!」



「何騒いでんだよ。日野」



あ、水沢くん起きたんだ。
< 61 / 108 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop