初恋はイケメンヤンキー
水沢くん、お弁当持ってきてなかったんだ。



これからもなのかな?



……そうだ。



「ねぇ、水沢くん」



「どした?」



問題を解こうとした手を止めてこちらを向く。



優しい返事。



あたし、この優しい声好きだな。



…じゃなくて。



「あたし、水沢くんのもお弁当つくってこようか?」



な、なんか緊張した。



……図々しいって思われてたらどうしよう…。



やっぱりこんなの聞かないほうがよかったかも…。



「ホントか?!」



「…へ?」



「マジでオレのもつくってきてくれんの?」



「う、うん」



び、ビックリしたぁ…。



水沢くんはイスから身を乗り出して、あたしに問いかけてきた。



水沢くんとの距離はすごく近い。



どうしよう…顔真っ赤になっちゃってるかも…。



心臓もドキドキ言っててやばい。



水沢くんは、こんなことなんとも思わないのかな?



ちょっとくらいドキドキしたりするのかな?



……気になるよ……。



もっと水沢くんのこと知りたいって思っちゃう…。



どうせこの補習が終わったら、この水沢くんへの想いも消さないといけないのに…。
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