初恋はイケメンヤンキー
〜圭斗said〜
明日、日野が弁当をつくってきてくれることになった。



もちろんオレのテンションは上がりまくってるわけで。



でも、いまは日野が隣で歩いてるからそんな素ぶりは見せない。



いや、見せてたまるか。



嫌われたらいけねぇからな。



…にしても、日野って歩幅小さいんだな。



オレがいつものペースで歩くとチョコチョコって早歩きになってる。



なんか、小動物みたいですっげーかわいいんですけど…!



少しだけ歩くスピードを上げてみる。



すると日野は小走りでオレに近づいて、隣を早歩きで歩き出す。



ははっ。



なんか、もっといじめたくなる。



…オレって意外とSっ気あんだな。



初めて気づいたわ。



「み、水沢くんっ」



あ、やっべ日野疲れたのかも。



ちょっと息切れしてるし。



「わりぃ、日野が早歩きで着いて来るのがおもしろくてさ」



少し後ろにいる日野にそう言った。



すると、日野はぷぅっと頬を膨らませてオレを睨んできた。



…日野はバカなのか?



オレのほうが身長が高いから、日野がオレを睨んでも上目遣いになって全然怖くないのに。



てか、むしろかわいい。



「水沢くんのS!」



やっぱ日野もSって思うのかー。



今までオレが自覚なかっただけだったんだ。



チームのヤツらもオレがSだっていうし。
< 64 / 108 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop