初恋はイケメンヤンキー
あいつらがこっちに来たらやばい。



「たのむ、理由は明日話すから」



オレがそう言うと、納得してくれた。



帰るときに碧虎のやつらがいる可能性は低い。



もしいても日野なら…。



……いや、日野だから危ない。



いかにもか弱そうで、かわいい。



あいつらの大好物だ。



やっぱちがう道から日野を送っていこう。



「日野、やっぱ送ってく。家どこ?」



さっきとは真逆のことをいうオレに驚いた日野は、これでもかというくらいに目を見開いていた。



「もうちょっといったところ」



「そっか、じゃ、行こう」



「へ?!うん」



オレはなるべく日野の近くを歩いた。



誰も触れないように。



路地から出て、さっきの道のもう1本横の道を歩く。



頼むから、今は出てくんなよ。



碧虎。



あとからたっぷりこらしめてやるからよ。



__________



「あ、あたしん家ここ」



5分くらい歩くと、日野の家に着いた。



よかった。



これで一安心だ。



「じゃあな。またあした」



そう言って、日野に笑顔を向ける。



「ありがとう。ばいばい」



日野もニコッと笑って手を振った。



日野が家に入るのを見届けて、オレは歩き出した。



さっきのヤツらがいたところへ。
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