初恋はイケメンヤンキー
それにしても、どうやったらこんなケガをするんだろ?



手当てしながら考える。



そんなあたしの脳裏に浮かんだ言葉は…「ケンカ」…だった。



そ、そりゃあ水沢くんはヤンキーだし、チームのトップ。



たぶんこの傷も仲間のために振るってできたんだと思う。



…でも…人のために自分を傷つけるのはやめてほしい…。



「はい、できた」



「サンキュー」



__________



補習をしている間、少し気まずかった。



そしてお昼になったんだけど…。



どうやってこのお弁当渡そう…!?



気まずいけど、食べてもらいたいし…。



う〜ん。



……。



何も思いつかない。



なんであたしって肝心なときに頭が働かないのー?!



「日野〜」



「ぎゃっ」



…え?



今の、水沢くんの声?



あたしは1人であたふたして、水沢くんが隣にいることをすっかり忘れていた。



恐る恐る隣を見る。



っ!



水沢くん、笑い堪えてるし!



絶対さっきのあたしの声でだよね?!



そ、そんなに堪えるならむしろ大爆笑してくれたほうがいいんだけど!?



恥ずかしい…。



顔が赤くなるのがわかる。



「なっ、なぁ…いまの…ぎゃって、なにっ?」



「いきなり水沢くんがあたしの名前を呼ぶから!」



「そっ、そっ、か…くくっ」



〜!
< 72 / 108 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop