初恋はイケメンヤンキー
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3日なんてあっという間だった。



今日、あたしは水沢くんに告白する。



直接なんてムリだから、手紙を渡すつもり。



帰りにこっそり水沢くんの下駄箱に入れておくの。



そして、新学期。



水沢くんが下駄箱を開けたとき、あたしの想いが伝わって、OKならあたしの下駄箱に手紙がくる。



まぁ、来ないと思うけどね。



ちょっとだけ、ちょっとだけ可能性があるって信じてもいいかな?



あたしはそんなことを考えながらも、最後の補習をしっかりと楽しんだ。



これが……水沢くんを好きだと思いながら話せる最後の日だから。



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どれだけがんばっても時間は止められず、補習はあっという間に終わってしまった。



あたしの気も知らない水沢くんはすっごく嬉しそう。



…人の気も知らないで。



…ちょっとムカつく。



「やっと終わったな!日野!」



けど、水沢くんが笑顔でそう言ってくるから許しちゃう。



「うん!おつかれさまでした」



「サンキュ。日野もおつかれ」



「ありがと」



2人で歩く帰り道もこれが最後。



…ヤダ。



ヤダよ。



まだ帰りたくない。



そんな思いがあたしの足を学校の玄関で止める。
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