初恋はイケメンヤンキー
こいつ、元ヤンだったんだ…。



オレは姉貴の容赦ない拳をくらい、後ずさった。



「このあたしに勝てると思うなよ!」



〜くっそー。



「次はかわしてやるよ!」



「はいはい。負け犬の遠吠えは何度聞いたことか」



「ぜってぇだかんな!」



「あーもー、わかったわよ。…それより」



「な、なんだ?」



姉貴がズイッとオレに近づいてきた。



思わず構える。



いきなりなんだ?



なんか、イヤな予感しかしねぇんだけど…?!



「その手紙の子」



その言葉を聞いて、ゴクリと固唾を飲んだ。



やめろ。



その先はぜってぇ聞きたくねぇ。



誰か時間を止めてくれ!



「明日家に連れてきな」



あぁ、聞いてしまった…。



オレが1番聞きたくなかったことだ。



もしあのピュアな日野を家に連れてきたら、姉貴の餌食だ。



でも日野に会いたいし。



目を離さねぇようにしねぇと。



「わかったよ」



「やった!じゃーね〜」



姉貴は上機嫌で部屋を出て行った。



はぁ、なんかドッと疲れが…。



明日のこと、日野に言わねぇと。



てか、日野予定空いてんのかな?



…あ!



その前に一応、部屋の片付けしねぇと!



パッと振り向いたオレの部屋は……悲惨だった。



「これ…片付けんのかよ…」



また疲れがたまった。
< 87 / 108 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop