初恋はイケメンヤンキー
那智ちゃんはあたしの手元をチラッと見て、なるほどと頷いた。



「また瀬戸ちゃんに頼まれたのか」



「うぅ…そのとおりです…」



「ま、仕方ないよね」



「えっ?」



キョトンとして聞くあたしに、那智ちゃんはニヤッと笑って言った。



「だって委員長だもんっ」



えー!



委員長だから仕方ないって…。



たしかにそうだけど…。



「さ、水沢にさっさとそれ渡して、おしゃべりしよ!」



「うん!」



那智ちゃんがニッて笑うから、あたしもつられてニッて笑った。
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