初恋はイケメンヤンキー
〜千夏said〜
つ、ついに来てしまった…!



どーしよう。



服とか、髪とか変じゃないよね?



あ、そういえばお菓子渡すの忘れてた。



「ただいま〜」



「お、おじゃまします」



玄関を開けてドカドカと入っていく水沢くんに続いて、あたしも水沢くんの家に入る。



やばいよ!



き、緊張がぁぁぁぁ。



「あっ、水沢くん。これ」



お菓子の入った紙袋を水沢くんに差し出す。



「ん?」



「マフィン作って来たんだけど…」



「…」



あ、迷惑だったかな…?



あたしがそう思ったとき、水沢くんの顔がぱぁっと笑顔になった。



「まじで?!」



「う、うん」



目がキラキラしてる!?



「やった!オレ、日野の作ったお菓子好きなんだよ!」



「ありがとう!」



きゃー!



水沢くんがかわいい!



嬉しい!



「こっちこそサンキューな」



水沢くんはそう言って二カッと笑うと、リビングに案内してくれた。



水沢くんの家ってこんな感じなんだあ〜。



「あ、適当に座ってて」



水沢くんにそう言われて、あたしは近くにあったソファーにちょこんと座った。



男の子の家に来たの初めてだなぁ。



好きな人の家だからかな?



なんか、すごく緊張しちゃう。



……って。



よく考えたらあたし今すごいことしてるんじゃ…?!



「どした?日野」



「へっ?!なんでもないよ?」



1人で頭を抱えていると、水沢くんが笑いながら聞いてきた。



び、ビックリしたぁ。



ーガチャッ



ん?



リビングのドアが開いた。



誰だろ?



水沢くんのお母さんかな?



とにかくあたしは水沢くんの家族に会うということに、緊張して固まった。
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