お嬢様生活
公園から家までの車の中。

「秋様・・・もしや。」

目から流れ続ける雫を。

私は必死で押さえたのに・・・

もう、無理みたい。

「翔、携帯をとって頂ける?」

「どうぞ、秋様。」

純・・・

ぷるるるる・・・

「はい、秋?」

何でも吹き飛ばしそうな純の声で

この気持ちも吹き飛んでくれればいいのに

「うん、私。

 これから、うち泊まりに来ない?

 もう・・・」

涙が止まらない・・・

弱い私なんて大嫌いよ。

お願い、止まってよ。

「秋、泣いてるの?」

「・・・泣いてない。」

「そっか、分かったいくわ。」

分かってるのに・・・

純は。その優しさが大好きよ。

「翔に迎えに行かせるわ。」

「うん、待っててね。」
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