四竜帝の大陸【赤の大陸編】
寝入ってしまったジリ君をエルゲリストさんにお任せし、私達はひよこ亭から街へと繰り出したわけですが……。
ヨーロッパの古い町並みを思わせる青の大陸のものとは違って、赤の帝都は西洋と中東の入り混じったようなエキゾチックな雰囲気だった。
ダルフェさんのお勧めの散策スポットということで、道の左右に露店が並ぶ大通りを歩いていたんだけど……。
「…………」
「ん? 姫さん、どうかした?」
「え!? い、いえ、ど、どど、どうもしませんっ! でも、あのっ」
ごめんなさい、ダルフェさん!
どうもしませんなんて、嘘です!
まるでモーゼが海を渡る光景を彷彿とさせるといいますか、通りの中央から人々が退くので必然的に私達四人が道の中央をドドーンと歩いちゃってますよね!?
「街の皆さんが、そのっ……み、道を空けてくださってるような感じがして! 気のせいかもしれないんですが!」
この世界に来てからにずっとハクちゃん達と暮らしていた私なので、慣れてしまっていたというか、失念していたというか……この御三方の美麗&ド迫力のヴィジュアルを!
私達は、ううん、正確には私以外のこの御三方が、平和な街の情景から浮きまくっていた。
「ん? それ、気のせいじゃねぇから。まぁ、気にしない、気にしない!」
やっぱり、モーゼ状態じゃないですか~!
うん、そうですよね!
赤の騎士服姿のダルフェさん、青の竜騎士姿のカイユさん……このお二人だけでも圧巻なのに。
「りこ? 急に立ち止まって……どうしたのだ? 歩き疲れたなら、抱っこしてやるぞ?」
「だ、大丈夫!」
私の横に居るハクちゃんの存在が、異彩と威圧感の半端ない美形揃いのド派手な面子にとどめを刺していた。
乾燥地帯に居た私を迎えに来てくれた時に着ていた服を、今日の彼は着ていた。
鮮やかな緋色で、背中から前身頃にかけて金で模様が……こんなド派手系魔王様な衣装で、街歩きすることになるなんて……。
魔王様度が増し増しになるけれど、衣装は彼にとても似合っていたし、好感度ゼロだろうがめちゃくちゃ格好良かった。
格好良かったから……私はハクちゃんに「あの時の服、格好良かったからまた着てみせてね!」なんて昨日の夜に言ってしまったわけでして……まさか翌日のランチ会にさっそく着ていくとは、思わなかったんです!
二人でゆっくりのんびり過ごす時にでも、コスプレ感覚で超絶美麗魔王様な旦那様を鑑賞できればそれで良かったんだけど……すみません、私が悪かったんです。
ヨーロッパの古い町並みを思わせる青の大陸のものとは違って、赤の帝都は西洋と中東の入り混じったようなエキゾチックな雰囲気だった。
ダルフェさんのお勧めの散策スポットということで、道の左右に露店が並ぶ大通りを歩いていたんだけど……。
「…………」
「ん? 姫さん、どうかした?」
「え!? い、いえ、ど、どど、どうもしませんっ! でも、あのっ」
ごめんなさい、ダルフェさん!
どうもしませんなんて、嘘です!
まるでモーゼが海を渡る光景を彷彿とさせるといいますか、通りの中央から人々が退くので必然的に私達四人が道の中央をドドーンと歩いちゃってますよね!?
「街の皆さんが、そのっ……み、道を空けてくださってるような感じがして! 気のせいかもしれないんですが!」
この世界に来てからにずっとハクちゃん達と暮らしていた私なので、慣れてしまっていたというか、失念していたというか……この御三方の美麗&ド迫力のヴィジュアルを!
私達は、ううん、正確には私以外のこの御三方が、平和な街の情景から浮きまくっていた。
「ん? それ、気のせいじゃねぇから。まぁ、気にしない、気にしない!」
やっぱり、モーゼ状態じゃないですか~!
うん、そうですよね!
赤の騎士服姿のダルフェさん、青の竜騎士姿のカイユさん……このお二人だけでも圧巻なのに。
「りこ? 急に立ち止まって……どうしたのだ? 歩き疲れたなら、抱っこしてやるぞ?」
「だ、大丈夫!」
私の横に居るハクちゃんの存在が、異彩と威圧感の半端ない美形揃いのド派手な面子にとどめを刺していた。
乾燥地帯に居た私を迎えに来てくれた時に着ていた服を、今日の彼は着ていた。
鮮やかな緋色で、背中から前身頃にかけて金で模様が……こんなド派手系魔王様な衣装で、街歩きすることになるなんて……。
魔王様度が増し増しになるけれど、衣装は彼にとても似合っていたし、好感度ゼロだろうがめちゃくちゃ格好良かった。
格好良かったから……私はハクちゃんに「あの時の服、格好良かったからまた着てみせてね!」なんて昨日の夜に言ってしまったわけでして……まさか翌日のランチ会にさっそく着ていくとは、思わなかったんです!
二人でゆっくりのんびり過ごす時にでも、コスプレ感覚で超絶美麗魔王様な旦那様を鑑賞できればそれで良かったんだけど……すみません、私が悪かったんです。