四竜帝の大陸【赤の大陸編】
「セレスティス殿?」
室内へと繋がる扉へと顔を向けた僕の視線を、クロムウェルが追う。
勢いよく押し開かれた扉から、足をもつれさせて転がり出たのは。
「ミチ君? どうしっ」
「セ、セレスティスさんっ! 支、支店長がっ……バイロイトさんがっ!」
前のめりに倒れ、あげた頬には血のにじむ擦り傷。
全身がひどく震えて立ち上がれない彼の両目から、一気に涙があふれ出た。
「バ、バイロイトさんがぁあああっ……わぁああああ!」
「ミチ君。バイロイト達はどこ?」
僕は立ち上がり、背を丸めて泣く彼へと歩み寄り訊いた。
もし手があったとしても、僕は震える彼の背を撫でることも抱きしめてやることもしない。
僕のすべきことは、泣く幼子を慰めることじゃないから。
「え、えぐっ……地下の道のま、まんな……く、くらっ…で、バイロイトさっ……ううっ……行ってっ、早く!」
彼は助けを求めて僕へと伸ばした右手を左手で掴んで、ぎゅっと拳を握った。
「後で迎えに来る。クロムウェル、地下避難道中間地点に転移だ! 急げ!!」
「承知しました」
室内へと繋がる扉へと顔を向けた僕の視線を、クロムウェルが追う。
勢いよく押し開かれた扉から、足をもつれさせて転がり出たのは。
「ミチ君? どうしっ」
「セ、セレスティスさんっ! 支、支店長がっ……バイロイトさんがっ!」
前のめりに倒れ、あげた頬には血のにじむ擦り傷。
全身がひどく震えて立ち上がれない彼の両目から、一気に涙があふれ出た。
「バ、バイロイトさんがぁあああっ……わぁああああ!」
「ミチ君。バイロイト達はどこ?」
僕は立ち上がり、背を丸めて泣く彼へと歩み寄り訊いた。
もし手があったとしても、僕は震える彼の背を撫でることも抱きしめてやることもしない。
僕のすべきことは、泣く幼子を慰めることじゃないから。
「え、えぐっ……地下の道のま、まんな……く、くらっ…で、バイロイトさっ……ううっ……行ってっ、早く!」
彼は助けを求めて僕へと伸ばした右手を左手で掴んで、ぎゅっと拳を握った。
「後で迎えに来る。クロムウェル、地下避難道中間地点に転移だ! 急げ!!」
「承知しました」