四竜帝の大陸【赤の大陸編】
「そんな格好で外へ出たら、商売女扱いされちまうよ?」
ぺたんと座り込んだ私を見下ろす瞳は明るい茶色で、目を囲うように濃くいれられたアイラインが印象的だった。
ボリュームのある唇には、真っ赤な口紅。
頭部は黒いスカーフが巻かれ、髪色は分からない。
彼女が着ているのはゆったりとした筒型の、長袖で裾はくるぶしまであるワンピース。
赤みの強い紫の生地に山吹色の小花が刺繍されていて、エキゾチックな美しさを持つ彼女に似合っていいた。
「まぁ、竜族は頑丈だっていうから。人間の男を数十人相手にしたって、死にはしないんだろうけどね」
好意的とは言い難いきつい視線が無遠慮に……値踏みするかのように、私を見て言った。
「アリシャリは大蜥蜴は嫌だって言ってたけど、他の奴等は違うよ? 女ならなんでもいいってのが、ほとんどだからねぇ」
「…………」
大蜥蜴。
それは竜族への蔑称。
この人は、私を竜族だと思っている……この女性も、勘違いしている。
アリシャリって人が、私のことを竜族だとこの女性に言ったんだろうけど……。
「首に“輪止”をしてるから、声も出ないし竜体になって飛んで逃げることも出来ないんでしょ? 徒歩で逃げるなんてのも無理だよ? 綱や鎖で繋がなくたって、それをしてるとあんたは遠くへは行けないんだ。この野営地から勝手に離れたら、輪止めがあんたの首を締め上げるんだからね」
えっ!?
「あら? 知らなかった? 良かったじゃない。私が来たおかげで、ここから逃げた結果が窒息死なんて事にならなくてすんだじゃない」
これって……首のこれ、そんなに危険なモノなの!?
ぺたんと座り込んだ私を見下ろす瞳は明るい茶色で、目を囲うように濃くいれられたアイラインが印象的だった。
ボリュームのある唇には、真っ赤な口紅。
頭部は黒いスカーフが巻かれ、髪色は分からない。
彼女が着ているのはゆったりとした筒型の、長袖で裾はくるぶしまであるワンピース。
赤みの強い紫の生地に山吹色の小花が刺繍されていて、エキゾチックな美しさを持つ彼女に似合っていいた。
「まぁ、竜族は頑丈だっていうから。人間の男を数十人相手にしたって、死にはしないんだろうけどね」
好意的とは言い難いきつい視線が無遠慮に……値踏みするかのように、私を見て言った。
「アリシャリは大蜥蜴は嫌だって言ってたけど、他の奴等は違うよ? 女ならなんでもいいってのが、ほとんどだからねぇ」
「…………」
大蜥蜴。
それは竜族への蔑称。
この人は、私を竜族だと思っている……この女性も、勘違いしている。
アリシャリって人が、私のことを竜族だとこの女性に言ったんだろうけど……。
「首に“輪止”をしてるから、声も出ないし竜体になって飛んで逃げることも出来ないんでしょ? 徒歩で逃げるなんてのも無理だよ? 綱や鎖で繋がなくたって、それをしてるとあんたは遠くへは行けないんだ。この野営地から勝手に離れたら、輪止めがあんたの首を締め上げるんだからね」
えっ!?
「あら? 知らなかった? 良かったじゃない。私が来たおかげで、ここから逃げた結果が窒息死なんて事にならなくてすんだじゃない」
これって……首のこれ、そんなに危険なモノなの!?