四竜帝の大陸【赤の大陸編】
「ねぇ、それって竜族なんでしょ?」
“それ”って……私のことよね?
私を指差して言う少年の髪は黒く、長い。
黒くクセの強い髪は、背の中ほどまで伸ばされている。
日本人の私に親近感をもたせる黒い瞳が、私をじっと見て……。
「え、あ、あのっ……ち、ちがっ、違います! これはっ」
「おばさん、竜族って言ってたでしょ?」
「お、お、おばっ!?」
少年の言葉に、赤い唇がわなわなと震えた。
お、おばさん?
この人をおばさんって呼ぶなんて……じゃあ、私もこの子から見たらおばさんってこと?
ううっ……子供って正直で怖い。
「どいて、おばさん。僕、その竜族をよく見たいんだ」
「え、あ、はい………」
少年に聞こえぬように小さな舌打ちをして、私の背から彼女はおり、手にしていた鎖を足元に置いてから数歩離れた。
鎖を置く彼女の手が震えていた……怖いとかじゃなく、動揺によるもの?
「うわぁ! 金貨みたいな目だね。黒い髪の毛……僕と同じ色だ……」
押さえ付けていた女性が離れたので、ほっとしてその場にぺたりと座り込んだ私の前に少年は両膝を付いて、にこりと笑った。
「ねぇ、僕のテントに行こう! おじいちゃんが買ってくれた新しい遊戯板で、僕と遊ぼう! あ、その格好じゃ外に出れないね。ねぇ、急いで着るモノを持ってきてよ、おばさん」
「シャデル様っ!? 何を言って……これはアリシャリが捕らえたんですっ! 勝手なことは困りまっ……きゃあっ!?」
異を唱えた彼女に、少年が何かを投げつけた。
“それ”って……私のことよね?
私を指差して言う少年の髪は黒く、長い。
黒くクセの強い髪は、背の中ほどまで伸ばされている。
日本人の私に親近感をもたせる黒い瞳が、私をじっと見て……。
「え、あ、あのっ……ち、ちがっ、違います! これはっ」
「おばさん、竜族って言ってたでしょ?」
「お、お、おばっ!?」
少年の言葉に、赤い唇がわなわなと震えた。
お、おばさん?
この人をおばさんって呼ぶなんて……じゃあ、私もこの子から見たらおばさんってこと?
ううっ……子供って正直で怖い。
「どいて、おばさん。僕、その竜族をよく見たいんだ」
「え、あ、はい………」
少年に聞こえぬように小さな舌打ちをして、私の背から彼女はおり、手にしていた鎖を足元に置いてから数歩離れた。
鎖を置く彼女の手が震えていた……怖いとかじゃなく、動揺によるもの?
「うわぁ! 金貨みたいな目だね。黒い髪の毛……僕と同じ色だ……」
押さえ付けていた女性が離れたので、ほっとしてその場にぺたりと座り込んだ私の前に少年は両膝を付いて、にこりと笑った。
「ねぇ、僕のテントに行こう! おじいちゃんが買ってくれた新しい遊戯板で、僕と遊ぼう! あ、その格好じゃ外に出れないね。ねぇ、急いで着るモノを持ってきてよ、おばさん」
「シャデル様っ!? 何を言って……これはアリシャリが捕らえたんですっ! 勝手なことは困りまっ……きゃあっ!?」
異を唱えた彼女に、少年が何かを投げつけた。