四竜帝の大陸【赤の大陸編】
伝えられれば……私を竜族に返してくれたって、仕返しなんてこと無……あ! でも、ハクちゃんがっ……でも、絶対に止めてみせるから!
報復なんてされない、させないってって伝えられたら!
「、、……、、、!」
「? ああ、お腹空いたんだ。うん、わかった」
身振り手振りで紙とペンを貸してと表現してみたけれど、伝わらなかった。
「……、、、!!」
指で地面に字を書けばいいということに気づき、爪を立てるようにして地面に文字を書き……書けなかった。
「、、、?」
少年の手が、私の手首を掴んで地面から遠ざけた。
10才前後でも、けっこう力が強くてびっくり……さすが男の子。
「あのね、紙とペンは貸してあげないし、僕はお前が地面に文字を書いたって読まないよ」
え?
さっきの
通じてたの!?
なんで分からないふりなんてするのよ!
こっちは必死なのに!
「……、、、!」
さすがにむっときて、掴まれた腕を振り払った。
子供相手に大人気ないけど、私も追い込まれていて……。
「……あのね、お前が仲間のところに逃げないくらい、僕のこと好きになったらこれを外してあげる。そしたらね、竜になって僕を背に乗せて飛んで欲しいんだ」
何言ってるのよ。
逃げないほど好きになるなんて、無理に決まってるじゃない。
第一ね、私は竜族じゃないから竜体にはなれないのっ!
輪止が有っても無くても、飛べないのよ……。
「僕、良い飼い主になるから。僕と一緒に……」
私にはらわれた手を、彼はこちらへと伸ばし……今度は両手だった。
「空の上の上にあるっていう天の国まで、僕を乗せて飛んで……母様に会いに連れてって欲しいんだ……」
空の上の上にある、天の国?
そこにこの子の母様って……。
「……」
ぎゅっと私を抱きしめる腕は、細く頼りなく。
表情を隠すかのように、胸に押し付けられた頭部を押し返すことが……。
「母様に、会いたいんだ……」
鼻をすんっと鳴らしてそう言った彼を突き放すことが、私にはできなかった。
報復なんてされない、させないってって伝えられたら!
「、、……、、、!」
「? ああ、お腹空いたんだ。うん、わかった」
身振り手振りで紙とペンを貸してと表現してみたけれど、伝わらなかった。
「……、、、!!」
指で地面に字を書けばいいということに気づき、爪を立てるようにして地面に文字を書き……書けなかった。
「、、、?」
少年の手が、私の手首を掴んで地面から遠ざけた。
10才前後でも、けっこう力が強くてびっくり……さすが男の子。
「あのね、紙とペンは貸してあげないし、僕はお前が地面に文字を書いたって読まないよ」
え?
さっきの
通じてたの!?
なんで分からないふりなんてするのよ!
こっちは必死なのに!
「……、、、!」
さすがにむっときて、掴まれた腕を振り払った。
子供相手に大人気ないけど、私も追い込まれていて……。
「……あのね、お前が仲間のところに逃げないくらい、僕のこと好きになったらこれを外してあげる。そしたらね、竜になって僕を背に乗せて飛んで欲しいんだ」
何言ってるのよ。
逃げないほど好きになるなんて、無理に決まってるじゃない。
第一ね、私は竜族じゃないから竜体にはなれないのっ!
輪止が有っても無くても、飛べないのよ……。
「僕、良い飼い主になるから。僕と一緒に……」
私にはらわれた手を、彼はこちらへと伸ばし……今度は両手だった。
「空の上の上にあるっていう天の国まで、僕を乗せて飛んで……母様に会いに連れてって欲しいんだ……」
空の上の上にある、天の国?
そこにこの子の母様って……。
「……」
ぎゅっと私を抱きしめる腕は、細く頼りなく。
表情を隠すかのように、胸に押し付けられた頭部を押し返すことが……。
「母様に、会いたいんだ……」
鼻をすんっと鳴らしてそう言った彼を突き放すことが、私にはできなかった。