四竜帝の大陸【赤の大陸編】
母と息子の姿になにを思っているのか、我には分からないが……カイユが赤の大陸に来たという事は。
それは<青>にとって、ランズゲルグにとって……我が考える必要はない、か。
あれの気持ちは、心は。
あれのものであって、我のものではないのだから。
ランズゲルグの好きなように思い、感じ、行動すればよい。
「カイユ。ジリギエは大丈夫。明日には回復するはずよ」
胡坐をかいて座ったまま頬をかくダルフェからカイユへと視線を移し、<赤>はカイユが訊きたかったであろう幼生について口にした。
「そうですか……迅速な処置をありがとうございました、赤の陛下」
安堵したのか、カイユは目を閉じ深く息を吸い、ゆっくりとはいた。
<赤>はカイユ両手をとり、立たせながら言う。
「ふふっ……伝鏡越しではなく、こうして貴女に直接会って会話が出来てとても嬉しいわ。私が贈った刀を使ってくれてるのね? 気に入ってもらえて良かった」
青い騎士服に映える朱色の鞘に笑みを浮かべるブランジェーヌへと答えようとカイユが口を開くより前に、間の抜けた声が響く。
「はぁああ~、腹空いた! 久々に親父特製の特大オムライスを食いたいんだけど、父さんはどこだよ? あの人のことだから、俺が着いたらすっ飛んで来るかと……お!? 懐かしい面子がこっちに走ってくるなぁ~……母さ、じゃなくて陛下。あいつら、旦那のこと大丈夫? 確か、至近距離で遭遇したことねぇんじゃねーのぉ?」
座り込んだままのダルフェの視線の先には、竜族……雄と雌。
身に着けているのは騎士服は、カイユのものと色以外はほぼ同じ。
ブランジェーヌの飼っている、赤の竜騎士。
「そうね。ヴェル、申し訳ないけれどちょっと離れてくれるかしら?」
正確な在籍数を我は知らぬが、赤の竜騎士も先代の時代より数が減ったらしい……今現在最も竜騎士保有数が少ないのは青の所だったか?
「わかった」
現四竜帝の中で、最も多くの竜騎士を従えているのは<黒>。
<黒>のベルトジェンガは、狂犬手前の猟犬共にとっては非常に『良い飼い主』だ。
あれの調教には躊躇いが無く、容赦も無い。
竜騎士の“使い方”がうまい。
ベルトジェンガと比較すると……この<赤>と<黄>は『並』で、<青>が『下』だな。
<青>のためにダルフェが青の竜騎士の幼竜を自ら“躾け”ていたようだが、仕上げにはほど遠い状態だったようだ……それは、カイユの父親がなんとかするだろう。
それは<青>にとって、ランズゲルグにとって……我が考える必要はない、か。
あれの気持ちは、心は。
あれのものであって、我のものではないのだから。
ランズゲルグの好きなように思い、感じ、行動すればよい。
「カイユ。ジリギエは大丈夫。明日には回復するはずよ」
胡坐をかいて座ったまま頬をかくダルフェからカイユへと視線を移し、<赤>はカイユが訊きたかったであろう幼生について口にした。
「そうですか……迅速な処置をありがとうございました、赤の陛下」
安堵したのか、カイユは目を閉じ深く息を吸い、ゆっくりとはいた。
<赤>はカイユ両手をとり、立たせながら言う。
「ふふっ……伝鏡越しではなく、こうして貴女に直接会って会話が出来てとても嬉しいわ。私が贈った刀を使ってくれてるのね? 気に入ってもらえて良かった」
青い騎士服に映える朱色の鞘に笑みを浮かべるブランジェーヌへと答えようとカイユが口を開くより前に、間の抜けた声が響く。
「はぁああ~、腹空いた! 久々に親父特製の特大オムライスを食いたいんだけど、父さんはどこだよ? あの人のことだから、俺が着いたらすっ飛んで来るかと……お!? 懐かしい面子がこっちに走ってくるなぁ~……母さ、じゃなくて陛下。あいつら、旦那のこと大丈夫? 確か、至近距離で遭遇したことねぇんじゃねーのぉ?」
座り込んだままのダルフェの視線の先には、竜族……雄と雌。
身に着けているのは騎士服は、カイユのものと色以外はほぼ同じ。
ブランジェーヌの飼っている、赤の竜騎士。
「そうね。ヴェル、申し訳ないけれどちょっと離れてくれるかしら?」
正確な在籍数を我は知らぬが、赤の竜騎士も先代の時代より数が減ったらしい……今現在最も竜騎士保有数が少ないのは青の所だったか?
「わかった」
現四竜帝の中で、最も多くの竜騎士を従えているのは<黒>。
<黒>のベルトジェンガは、狂犬手前の猟犬共にとっては非常に『良い飼い主』だ。
あれの調教には躊躇いが無く、容赦も無い。
竜騎士の“使い方”がうまい。
ベルトジェンガと比較すると……この<赤>と<黄>は『並』で、<青>が『下』だな。
<青>のためにダルフェが青の竜騎士の幼竜を自ら“躾け”ていたようだが、仕上げにはほど遠い状態だったようだ……それは、カイユの父親がなんとかするだろう。