四竜帝の大陸【赤の大陸編】
「起きて! ねぇ、起きてっ!」
「……? ……、、」
目が覚めたのは、朝の陽を瞼に感じたからじゃなく。
小さな手が毛布の上から、私を叩いたからだった。
「、、……、、、、? 、、……、、?」
ハク……ハクちゃん? どこ……ハク?
傍に居るはずの彼に、両手を伸ばす。
「……、、……」
手の先には、何も無かった。
あぁ、そうだった……私は……ハクと離れてしまって……ここは赤の大陸のどこかで……。
「朝ご飯をとりに行こう! 早く行くと、焼きたてのをもらえるんだ!」
クセの強い黒髪を赤く染めた革紐で一つに結いながら言うシャデル君は、朝から元気いっぱいだった。
でも、私は……朝食なんて、食べれそうになかった。
胃が痛み、胸から吐き気が込み上げてきて……。
「……ッ、、、」
目覚めても、ハクの「おはよう」は私に与えられることはなくて。
夢を見ていたのだと……気づき、知り、理解した。
昨日、目が覚めた時も、今日も、今も。
ハクちゃんがいない。
ハクがいない……。
「ッ」
「どうしたの!? 顔、青いよ!? 大丈夫っ!?」
口を両手で抑えながら上半身をゆっくりと起こした私の傍に膝をついて、シャデル君が私の顔を覗き込む。
「気持ち悪いの!?」
すぐ傍で言っているはずのシャデル君の声が、まるで厚い壁の向こうから聞こえてくるかのように感じた。
「……、、、、……、、、、……、、…、、ッ!」
ハクちゃん……ハクちゃん……ハク…ハクッ!
声が出ないとわかっていても、名前を呼ばずにはいられなかった。
毛布を剥ぎ立ち上がり、テントの出入り口に向かったけれど。
「ッ!?」
足に力が入らずもつれ、数歩で転んでしまった。
「……? ……、、」
目が覚めたのは、朝の陽を瞼に感じたからじゃなく。
小さな手が毛布の上から、私を叩いたからだった。
「、、……、、、、? 、、……、、?」
ハク……ハクちゃん? どこ……ハク?
傍に居るはずの彼に、両手を伸ばす。
「……、、……」
手の先には、何も無かった。
あぁ、そうだった……私は……ハクと離れてしまって……ここは赤の大陸のどこかで……。
「朝ご飯をとりに行こう! 早く行くと、焼きたてのをもらえるんだ!」
クセの強い黒髪を赤く染めた革紐で一つに結いながら言うシャデル君は、朝から元気いっぱいだった。
でも、私は……朝食なんて、食べれそうになかった。
胃が痛み、胸から吐き気が込み上げてきて……。
「……ッ、、、」
目覚めても、ハクの「おはよう」は私に与えられることはなくて。
夢を見ていたのだと……気づき、知り、理解した。
昨日、目が覚めた時も、今日も、今も。
ハクちゃんがいない。
ハクがいない……。
「ッ」
「どうしたの!? 顔、青いよ!? 大丈夫っ!?」
口を両手で抑えながら上半身をゆっくりと起こした私の傍に膝をついて、シャデル君が私の顔を覗き込む。
「気持ち悪いの!?」
すぐ傍で言っているはずのシャデル君の声が、まるで厚い壁の向こうから聞こえてくるかのように感じた。
「……、、、、……、、、、……、、…、、ッ!」
ハクちゃん……ハクちゃん……ハク…ハクッ!
声が出ないとわかっていても、名前を呼ばずにはいられなかった。
毛布を剥ぎ立ち上がり、テントの出入り口に向かったけれど。
「ッ!?」
足に力が入らずもつれ、数歩で転んでしまった。