四竜帝の大陸【赤の大陸編】
第六話
「ひっ!? きゃああああああああああああ!!」
“それ”は。
今まで私が見たことがない、“知らない”モノだった。
「あ、ぁあああ、あっ……」
人間の腕が、生きている人の腕がっ……!!
「? どうしたのだ? りこ?」
ハクの声には、疑問。
なぜ私が声をあげたのか、ハクは分からないみたいだった。
「なぜそのような声をあげ、震えるのだ?」
腕を失い、血だらけで痛みにのたうつアリシャリ……彼の血走った目が、視線が、私に刺さる。
そこにあるのは恐怖と、憎悪。
「あぁああ、あああっ……ひっ……」
「りこ……りこ、りこ?」
見たくない。
見たくないのに。
動かない、顔も目も。
まるで目に見えない手に頭を掴まれているようだった。
見えない手は、耳には聞こえぬ言葉を脳に押し込んでくる。
ミロ
ソラス、ナ
ニゲル、ナ
ミロ
オマエノ セイ、ダ オマエノ セイ、ダ
血モ 死モ
オマエガ 傷ツケサセ
オマエガ 殺サセル
オマエノ セイ、ダ
その声は。
私の体を縛り、心を締め上げる。
カイユさんの青い騎士服の上を、生地に弾かれ筋となって滴るのは……赤い、赤い……。
“それ”は。
今まで私が見たことがない、“知らない”モノだった。
「あ、ぁあああ、あっ……」
人間の腕が、生きている人の腕がっ……!!
「? どうしたのだ? りこ?」
ハクの声には、疑問。
なぜ私が声をあげたのか、ハクは分からないみたいだった。
「なぜそのような声をあげ、震えるのだ?」
腕を失い、血だらけで痛みにのたうつアリシャリ……彼の血走った目が、視線が、私に刺さる。
そこにあるのは恐怖と、憎悪。
「あぁああ、あああっ……ひっ……」
「りこ……りこ、りこ?」
見たくない。
見たくないのに。
動かない、顔も目も。
まるで目に見えない手に頭を掴まれているようだった。
見えない手は、耳には聞こえぬ言葉を脳に押し込んでくる。
ミロ
ソラス、ナ
ニゲル、ナ
ミロ
オマエノ セイ、ダ オマエノ セイ、ダ
血モ 死モ
オマエガ 傷ツケサセ
オマエガ 殺サセル
オマエノ セイ、ダ
その声は。
私の体を縛り、心を締め上げる。
カイユさんの青い騎士服の上を、生地に弾かれ筋となって滴るのは……赤い、赤い……。