四竜帝の大陸【赤の大陸編】
第七話
「旦那。で、どうします?」
ハクにそう訊きいたダルフェさんの左右の口角が、くいっと上がった。
細められた緑の瞳とそれが組合わさった表情は、楽しそう……とても愉しそうだった。
その表情は、私の中に疑問以上の不安を生む。
「ダル……フェ?」
「ダルフェ。お前の“どうします”は、あれのことかこれのことかそれのことか?」
私とは違い、ハクが感じたのは疑問だけだったみたいだった。
「う~ん、まぁ、とりあえずは“これ”っすかねぁ?」
「……」
ダルフェさんはカイユさんから受け取ったアリシャリの腕へと、視線を動かす。
問われたハクは無言でカイユさんの首に回した私の腕を外し、それを自分の首へと移動させ……。
「他の男の触れた我のかけらなど、汚らわしくてりこには与えられぬ。その腕ごと捨てろ」
そう言って、歩き出した。
……どこへ向かって……って、え!?
「あんたならそう言うだろうと思ってましたよ……って、こら旦那!」
「ハ、ハハハクッ!? だ、駄目っ!!」
数歩で止まったハクの左足は、シャデルの額の上に乗っていた。
「…………お前」
抑揚も容赦も無いハク独特の声が、地に降る。
「我のりこに触れたな?」
ハクにそう訊きいたダルフェさんの左右の口角が、くいっと上がった。
細められた緑の瞳とそれが組合わさった表情は、楽しそう……とても愉しそうだった。
その表情は、私の中に疑問以上の不安を生む。
「ダル……フェ?」
「ダルフェ。お前の“どうします”は、あれのことかこれのことかそれのことか?」
私とは違い、ハクが感じたのは疑問だけだったみたいだった。
「う~ん、まぁ、とりあえずは“これ”っすかねぁ?」
「……」
ダルフェさんはカイユさんから受け取ったアリシャリの腕へと、視線を動かす。
問われたハクは無言でカイユさんの首に回した私の腕を外し、それを自分の首へと移動させ……。
「他の男の触れた我のかけらなど、汚らわしくてりこには与えられぬ。その腕ごと捨てろ」
そう言って、歩き出した。
……どこへ向かって……って、え!?
「あんたならそう言うだろうと思ってましたよ……って、こら旦那!」
「ハ、ハハハクッ!? だ、駄目っ!!」
数歩で止まったハクの左足は、シャデルの額の上に乗っていた。
「…………お前」
抑揚も容赦も無いハク独特の声が、地に降る。
「我のりこに触れたな?」