四竜帝の大陸【赤の大陸編】
「ど?」



 消えてしまいそうな小さな声にハクが反応し、復唱した。

「ど、どどど……どどど、どどっ」

 搾り出すような『ど』の連呼に。

「どどど?」

 ハクがさらに疑問系の『ど』を追加する。
 無意識だろうけど。
 思ってないんだろうけれど。
 それ、すっごいプレーッシャーっていうか、怖いと思うよ?




「どうっ、い、たしっ、ましてぇえええええええっ!!」




 小さな声が絶叫に変わり。
 今まで聞いた事の無い必死な“どういたしまして”が、乾いた大地に響く。

「うむ」

 満足したらしいハクが落としていた視線を上げ、私をじーっと見て……細まった。

「我はできたぞ?」

 あ。
 青の竜帝さんのお城で術士に攫われそうになった時、竜騎士のオフラン達に助けてもらって……その後、南棟の温室に彼等が来たから、私が『お礼を言って』って……覚えててくれたんだ!


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