四竜帝の大陸【赤の大陸編】
すると地面から青白い炎がぶわっと、勢いよく噴出し。
ハクの右脚の膝までの伸びて、絡みつくように燃え、揺らぎ。
「きゃ!? ……あれ?」
輪止を道連れにして、消えた。
地中へと、吸い込まれるかのように……。
「は? 旦那、知らなかったんすか!? もっと世間に興味持ちましょうよ。そんなんだから青の陛下に箱入りジジイなんて言われるですって! ……ああ、旦那。そろそろ転移で城へ戻ってください。母さ……陛下が首を長くして待ってるでしょうから」
青白い炎を見たはずなのに。
輪止が消えたのに気づいているはずなのに。
ダルフェさんは、それについては何も言わなかった。
傍にいたカイユさんも、何も言わない。
「……」
だから。
私も言わなかった、訊かなかった。
「姫さん」
「あ。は、はい!」
ダルフェさんの緑の瞳が。
垂れ目だけど、鋭い目が。
「姫さん、俺は今度はちゃんと“確認して”帰ることにするから。旦那と先に赤の陛下の城に行ってちょうだいね?」
私を見て。
お得意の、ウィンクをひとつ。
「うん、やっぱ確認って大事だよねぇ~?」
確認?
ダルフェさんは。
「旦那」
貴方はここで、これから。
「さっき、あんたは俺に言いましたよね? <赤の竜騎士>の役目を果たせと」
ダルフェさん。
何を確認するの?
「お言葉に甘えて、そうさせてもらいますよ。<ヴェルヴァイド>様」
「……ダルフェ。これを」
カイユさんがダルフェさんへと差し出した刀は。
鞘が朱色で、細かな装飾が施された鍔には、真っ赤な宝石が4箇所に埋め込まれている。
以前、カイユさんが私に持たせてくれた刀だった。
それは。
とても。
「ありがとう。借りるよ、カイユ」
<赤の竜騎士>のダルフェさんに。
とても、似合っていた。
ハクの右脚の膝までの伸びて、絡みつくように燃え、揺らぎ。
「きゃ!? ……あれ?」
輪止を道連れにして、消えた。
地中へと、吸い込まれるかのように……。
「は? 旦那、知らなかったんすか!? もっと世間に興味持ちましょうよ。そんなんだから青の陛下に箱入りジジイなんて言われるですって! ……ああ、旦那。そろそろ転移で城へ戻ってください。母さ……陛下が首を長くして待ってるでしょうから」
青白い炎を見たはずなのに。
輪止が消えたのに気づいているはずなのに。
ダルフェさんは、それについては何も言わなかった。
傍にいたカイユさんも、何も言わない。
「……」
だから。
私も言わなかった、訊かなかった。
「姫さん」
「あ。は、はい!」
ダルフェさんの緑の瞳が。
垂れ目だけど、鋭い目が。
「姫さん、俺は今度はちゃんと“確認して”帰ることにするから。旦那と先に赤の陛下の城に行ってちょうだいね?」
私を見て。
お得意の、ウィンクをひとつ。
「うん、やっぱ確認って大事だよねぇ~?」
確認?
ダルフェさんは。
「旦那」
貴方はここで、これから。
「さっき、あんたは俺に言いましたよね? <赤の竜騎士>の役目を果たせと」
ダルフェさん。
何を確認するの?
「お言葉に甘えて、そうさせてもらいますよ。<ヴェルヴァイド>様」
「……ダルフェ。これを」
カイユさんがダルフェさんへと差し出した刀は。
鞘が朱色で、細かな装飾が施された鍔には、真っ赤な宝石が4箇所に埋め込まれている。
以前、カイユさんが私に持たせてくれた刀だった。
それは。
とても。
「ありがとう。借りるよ、カイユ」
<赤の竜騎士>のダルフェさんに。
とても、似合っていた。