刹那腐レンズ【あたしとあいつ】

あたしの支えであり、あいつの支えの友達はあいつとあたしというパイプでつながれた。
男友達はあいつの周りで、女友達はあたしの周りで。

それがいつものメンバーでいつもの約束。

そのメンバーの中で恋が生まれた。
あたしとあいつじゃなくて、別のコ。
それを知ったのは、あいつとあたしだけ。

今なら分かる。あたしとあいつがいたから恋をした。

あのコと出会った。
あのコと話した。

恋をした・・・

仲が悪かったら絶対に出会っていない。
同じ性格で性別が違うだけ。
ほとんど一緒。
考えていることはすぐに分かる。
自分が2人。


今は違う。
やっぱり変わったんだよ。周りも、あたしもあいつも。


 でも、友情は変わらないよね?

変わるんだよ。人が成長するように、あっけなく散るんだよ。
だから・・・終わりなんだよ。


いつも持っていたハズなのに、同じ空間、同じ時間、同じ話題にいても、目はあっても話さなくて・・・

今までのことは全部嘘だったのだよ。

なにもかも・・・。

あたしと一緒じゃなくて他のコと一緒であたしは・・・


透明人間だったの?

あいつの頭の中からあたしは消えたの?
もう、1ミリもないの?
空っぽ・・・?

もう・・・いいよ。

あたしも早くあいつを忘れなきゃいけないんだよ。



みんな離れて辛いのは一緒なんだから・・・。


でも、あいつはクラスの違う女子とも喋るよね?

いいよ。あたしのこともう一生思い出さないで。


 あたしはこれからも透明人間だから・・・空気だから。

もう、元には戻らない。





あいつとあたしは・・・


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