黄泉送り ~3人の悪霊と1つの願い~
バン!!という衝撃音とともに、正面の窓ガラスが割れんばかりに激しく揺れた!!
恐る恐る視線を送ると、窓ガラスの中心に何か跡がついていた。
手形だ。
真っ赤な、小さい手形がくっきりと残っている!!
そう認識した瞬間、バンバンと連続で激しい音が鳴り響き、見る間に窓ガラスが赤い手形で埋め尽くされた。間違いなく、あの少女のものだ。
窓ガラスが赤く染められた直後、再び辺りを静寂が支配する。耳の奥で、キーンという甲高い音が響く。
今の出来事は始まりだ。
あれで終わりのはずがない。
震える身体を震える手で押さえ、気持ちを落ち着かせようと力を込める。
その時、束の間の静寂を引き裂き、ペタッと奇妙な音がした。目線だけ動かし室内を見回すと、窓枠の少し上に赤い足跡がついていた。そのサイズから、小さな子供のそれだと容易に推測できる。
今度は四方の壁と天井に、ペタペタという音と共に物凄いスピードで足跡がついていく。まるで、小さな子供が駆け回る様に。