黄泉送り ~3人の悪霊と1つの願い~
無事・・・だ。
自分自身を確認し、五体満足である事に安堵する。正直なところ、最後の場面はダメかと思った。
手の甲で頬の汗を拭う。
ねっとりと絡みつく感触。
激しい違和感に、焦って手の甲を確認する。
俺は反射的に「うわっ!!」という情けない声を上げて仰け反った。手が真っ赤に染まっていたのだ!!
急いで階段を下り、洗面所に向かう。
そして、鏡に写る自分に絶句する。
両頬に赤い小さな手の跡が、くっきりと残っていた!!
これは警告なのか?
あれは一体何だったのか?
いや関係無い・・・どちらにしても、俺は前に進むしかない。