黄泉送り ~3人の悪霊と1つの願い~

横殴りに振り回される鉄パイプ。
膝を折り、状態を低くして何とか避ける。
しかし、こう何度も上手くいくとは思えない。いずれは、あの鉄パイプの餌食になる。


再び鉄パイプが振り上げられ、俺は床の上を転がる。何度か繰り返される攻防。そして、ついにその時が来た。

ギリギリで避けたはずがバランスを崩し、鉄パイプの先端が俺の右脇腹にめり込んだ。身体がくの字に曲がり、通路の壁に吹き飛ばされる。余りの激痛に全身が痺れ、立っている事ができずその場に沈む。

もうムリだ。
動けない。
瑠衣の忠告を聞くべきだった。
もしかして俺も、コイツみたいになるのか?
果歩・・・
あの世で、また会えるかな。

へたり込んだ俺の目の前で、アレが鉄パイプを振り上げる。

くそっ・・・

 

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