黄泉送り ~3人の悪霊と1つの願い~
◇憑かれたモノ
***
・・・決意の告白だった。
ずっと見ているだけなら、思いが届かないのなら、ふっ切る為に告白しようと決めた。
玉砕覚悟の特攻。
放課後の教室で、思い切って声を掛けた。
「ちょっと話があるんだけど」
緊張で声がうわずった。
果穂は俺の後を付いて来た。
果穂がどんな顔をしていたのか、振り向く事さえ出来なかった俺には分からない。
廊下の突き当たりにある扉を開け、非常階段に出た。鉄製の扉が軋みながら閉まり、踊場で2人きりになった。
振り向いて向かい合う。
遠くで、誰かの笑い声が聞こえる。
鼓動が速くなる。
喉がカラカラだ。
頑張れ俺!!
「あのさ、実は、あの・・・」
何が何だか分からなくなる。
それでも、何度も練習したフレーズを口にする。
「初めて会った時から、ずっと好きだった。多分、これからも、ずっと好きだ」
言った。
俺は言ってやった。これでもう、思い残す事は何も無い。
「私も・・・私もずっと好きだったよ」
***