黄泉送り ~3人の悪霊と1つの願い~
正午を少し過ぎた頃、制服姿で赤坂さんは待ち合わせ場所に現れた。
「ごめんね、ちょっと遅くなったかしら」
「おそ──モゴモゴ」
瑠衣の口を塞ぎ、愛想笑いを浮かべて応える。
「いえ、大丈夫です」
赤坂さんは瑠衣を一瞥した後、苦笑いしながら喫茶の扉を開けた。
「じゃあ、中で離しましう」
店内に入ると窓から離れた席に座り、俺達の趣向も確かめず「ランチ3つ」と注文する。どうしてこう、勝手な女が多いのだろうか。
「で、話しってなんですか?』
早速、話しを切り出す。仲良くランチを頬張っても仕方がない。
「うん・・・貴方達って、本当に霊が見えるの?って、さっきのを聞いたから疑っている訳ではないんだけど」
「さっきの?」
「その、あの、取り憑いてる霊」
「ん?」
一瞬、俺には赤坂さんが何を言っているのか分からなかったが、瑠衣が素早く反応した。
「知り合いですね?」
「知り合いというか、あの子の彼氏だから」
「ゲホッゲホッ・・・か、彼氏!?」
水を飲んでいた俺は、盛大に咳き込んだ。
「汚いな、もう!!」
瑠衣が隣で身をよじる。