永久の想々Ⅰ【えいきゅうのそうそう】
タイトル未編集
椅子しかない殺風景な部屋は、今日もこの先も変わらないであろう。
このまま誰に気付かれぬ事なく、無機質に朽ちてゆく。
同じ様に、私も静かに逝きたい…それだけが願いだった。
と、無音の世界を壊す様に、ドアが壊れるかと思う程のノック音が響く。
一瞬 身体が震えたが、すぐに心の波が引いていった。
私は何年かぶりに部屋を出ると、もう二度と開ける事は無いだろうと思っていたドアの前に立つ。
「誰だか知らんが、こんな所に何の用だ?」
「うるさかった?寝てるかと思って。王の使いで来ました」
「…王の?約束の時まで大分ある。用など無いはずだ」
男は小さく息を吐き捨てる。
「何でもいいけど、ここ開けてくれない?これじゃ、まともに話も出来ないし」
「開けるつもりは無い。用ならそこで言え」
「あんたを殺しに来ました」
「バカ正直な…。殺せない事は承知のはずだが?」
「まぁね。取り敢えず試してみて、駄目なら次の命令を実行するまでだから、ここ開けてくれない?」
これ以上話しても無駄か…。
ドアノブに手を掛けると、扉はぎこちない音を立てて、ゆっくりと開いた。
このまま誰に気付かれぬ事なく、無機質に朽ちてゆく。
同じ様に、私も静かに逝きたい…それだけが願いだった。
と、無音の世界を壊す様に、ドアが壊れるかと思う程のノック音が響く。
一瞬 身体が震えたが、すぐに心の波が引いていった。
私は何年かぶりに部屋を出ると、もう二度と開ける事は無いだろうと思っていたドアの前に立つ。
「誰だか知らんが、こんな所に何の用だ?」
「うるさかった?寝てるかと思って。王の使いで来ました」
「…王の?約束の時まで大分ある。用など無いはずだ」
男は小さく息を吐き捨てる。
「何でもいいけど、ここ開けてくれない?これじゃ、まともに話も出来ないし」
「開けるつもりは無い。用ならそこで言え」
「あんたを殺しに来ました」
「バカ正直な…。殺せない事は承知のはずだが?」
「まぁね。取り敢えず試してみて、駄目なら次の命令を実行するまでだから、ここ開けてくれない?」
これ以上話しても無駄か…。
ドアノブに手を掛けると、扉はぎこちない音を立てて、ゆっくりと開いた。