永久の想々Ⅰ【えいきゅうのそうそう】
が、跳ね返り、両足で踏み止まる。


「ねぇ。あんたのソレ何?死にたいなら、ソレどうにかしてくれないと」

「私を覆っている球体の事か?悪いが自分ではどうしようも出来ない。だが、私が人に触れぬ様に、保護してくれているモノでもある」

「…へぇ。まぁいいや。死神っていうからどんな奴かと思えば、差し詰め、消えないシャボン玉に守られたお姫様ってとこか」


男は愉快そうに笑った。
「あっ、俺の名はシュドね。あんた名前は?死神なんて呼ばれてるけど、名前くらいあるんだろ?」

「………ユラハ…だ」

「ユラハ…ね。綺麗な響きだな。死神なんて呼び名より、あんたに良く合ってる」


ユラハ…誰かにそう呼ばれるのは一体いつぶりだったか。
何かを思い出そうとする心を、奥へと閉じこめた。
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