君は私の太陽だ
「パン食べたら、感想待ってるよ!中でもうちのオススメは、メロンパンだったけど。」


武司君が笑みを浮かべて言った。


大きいメロンパン買ったんだけど!


「その、メロンパン買ったの!美味しそうだったから!」


「マジ?ほっぺ落ちるよ!」


気分はウキウキしてる。


こんな偶然ないよ。


でも武司君は、バイトの時間が迫ったからってバイバイした。

私は、武司君の後ろ姿を、見えなくなるまで見送った。


「なんだかねー!」


背後にいた愛子はため息をつく。


「なーに?」


「大丈夫かな?って思ったりする訳よ。
美佐に焦るなって言ったけど!なんかね?」


「愛子の言いたい事。何となく分かるんだけど。」


きっと、じれったいって思ってるんだ。


私も…。


何度も、「好き」って言ってしまいたいと思ってるけど。


愛子に今の気持ちを伝えるしかなかった。


「まー美佐のペースでよいけどね!」


愛子は誠先輩の家に行くって、駅で別れた。


かず君のお見舞い。


思わず見つけた渓君の、レンタル屋。


武司君のパン屋さん。


いろいろ付き合ってくれて、ありがとね!


私はパンの臭いを大事にしていこうと思った。


それは、武司君の臭いと似ている。


夕日のオレンジ色の光が、私の恋を後押しする。


パン屋さんの看板も、オレンジ色だった。


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