君と金魚、夜
「ここのケーキバイキングずっと行きたいと思ってたの!」
ショーケースの前ではしゃぐ華ちゃん。
「すごーい!いろんなケーキあるよ!全部食べなきゃ損だよね!」
「食べきれる量で取ってね」
「分かってる分かってる!ここ日曜の午後だけ半額で時間も無制限なんだよ」
「そうなんだ」
「おまけに街で一番種類が多いらしいし、どれにしよっかな」
あたしはスタンダードなケーキをプレートに乗せていく。
「水希ちゃんもいっぱい食べるんだ」
「お金払った分は食べておきたいからね」
そして、ひとまず好きなケーキを取って窓際の席に座った。