君と金魚、夜
「水希ちゃんは?好きな人とかいない?」
「あたし?あたしは…」
浮かんだのは洸人さん。
「いないいない、男と無縁だし」
「そんなこと言って、この前海先輩に呼び出されたじゃん」
「海先輩?あの人よくわからないんだよね」
「そう?悪い人じゃないと思う」
華ちゃんはチーズケーキを頬張っていた。
「ていうか海先輩に何されたの?」
「それは…」
告白されたなんて言えない。
大体あれが本当に告白だったのか、本気だったのか分からない。
「告白されたとか?」
「えっ、なんで?えっ、そ、そんなわけないよ」
「水希ちゃん分かりやすいね」