君と金魚、夜
あたしはせっかく華ちゃんと楽しく買い物してたのにな、って思った。
偶然みてしまうなんて。
「水希ちゃん、このイヤリング可愛くない?」
「えっ」
「どうしたの?ね、可愛くない?」
「あ、可愛い!二人ともに似合いそうだし」
「でしょ?買わない?」
華ちゃんの声も遠くで聞こえているようだ。
あたしは軽く華ちゃんを受け流して何気に目で追ってしまう。
あたし少し距離はあったけど分かってしまう。
見つけてしまう。
女の人と一緒で、少し照れている、洸人さんを。