君と金魚、夜
痛心通話
「あら、おかえり、遅かったのね」
家に帰るとお母さんが言う。
「うん、あ、食べてきた」
「あらそう。この前は連絡してくれたのに」
「ごめんね、忘れてた」
「いいのいいの!それより友達と遊んでたの?今度紹介してね?」
「あー…うん。お母さんやけに機嫌いいね?」
うきうきしながらエプロン姿のお母さん。
お母さんは実は若くて、高校2年の娘がいるなんてほとんどの人はありえないと言うと思う。
「水希に友達ができて、しかもそんなかわいい格好で遊びに行くなんてお母さん嬉しくて!」
「そう?ありがと」
「今度家に連れてきなさいね!」
「あーもう分かったから」
あたしだって華ちゃんと今日一日遊べたことは嬉しかった。
それなのにどうしてこんな気分になってるんだろう。