君と金魚、夜
『今から…会えない?』
「…っ」
いきなりすぎて心臓が止まるかと思った。
『別に誘ってないから、誘ってるけど』
いいですよ、って言えない。
心臓が止まってしまっているようだ。
手は震えて、声も出そうにない。
「あっ、今からお風呂入って、親が寝てしまってからなら…大丈夫だと思います」
『迎えに行く』
「…うん」
『車で、水希が降りてる駅はなんとなく分かるから、そこらで拾う』
「12時過ぎますよ?」
『未成年連れ出すのって犯罪だっけ?俺危ないことしてるかも』
「犯罪です…」
『あーやっぱ…』
「…けど、いいです会いたいです」
あたしは言う。
心臓の音がきこえないくらい緊張していた。