君と金魚、夜
深真夜中
夜の12時を過ぎた時。
あたしは服を選ぶのに必死だった。
夜中にキメすぎた服を切るのは不自然だけど、だらしない格好も出来ないし。
そう思ってシンプルだけど少し女っぽい格好にした。
『あ、水希?もう親寝た?』
「たぶん寝たと思います」
『じゃあ迎えに行っていい?』
「はい…」
『俺いま駅の近くいるから、出来るだけ家の近くまで迎えに行くよ』
あたしは声を潜めて電話をしていた。
『家どこか詳しく教えて?外出る時は気をつけろよ、てか俺がいいって言うまで出ないでね』
「分かりました、あの…駅の東から真っ直ぐ行って…そこから…」
あたしは洸人さんに駅からの道を説明した。