君と金魚、夜
少し歩いたところに黒い車が停まっていた。
あたしは近くまで行って運転席を見る。
洸人さんがいて安心した。
あたしは運転席の窓を軽く叩いた。
すると、その窓が開いて洸人さんがこっちを見ている。
「久しぶり、つっても3日4日ぶりくらいだけど。隣乗りなよ」
「はい」
あたしは車を回り込んで隣に乗る。
こういうことをするのは危ないことだと分かっていた。
でも洸人さんだからっていう気持ちで、部屋に呼ばれたのに何もされなかったんだから大丈夫だって思った。
だいたいこんな大人があたしを相手にするわけもないし。