君と金魚、夜





「こんな近場っていつでも行けますよ」


「学校は夜くらいじゃないと入っちゃいけないからさ」


「大人ですもんね」




車通りの無いこの時間に行くとそんなに時間のかからない距離にある。


あたし達は裏門のところに車を停めて歩いて校内に入って行く。




「水希、特進クラス?」


「そうです」


「やっぱり。顔に出てる」




特進クラスは成績別で上位で進学する人ばかりのクラスだ。




「本当はそんなに勉強する気じゃなかったんですよ?あ、洸人さん大学どこですか?」


「俺?日本で一番頭のいい大学」


「えっ、すごい」


「そこを中退しまして、結局は親に頼って就職」


「中退…」


「今時いくらでもいるだろ?」




洸人さんに中退なんて言葉のイメージは全くなかった。




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