君と金魚、夜
「そんな意外そうな顔すんなよ」
「すみません…」
洸人さんには本当にエリートってイメージしかなかった。
「それより校舎入りてーな久しぶりに」
そう言って校舎の周りを歩く。
洸人さんは前の方を歩く。
そういえば今日はスーツじゃない。
ロゴの入った白いTシャツに、黒のパンツ。
「最近は窃盗とか多くて、校舎内はセキュリティ万全なんですよ、迂闊に入ろうとしたら不法侵入になっちゃいますよ」
「マジで?俺らの時は夜中に屋上まで行けたのに」
「いいですね、青春って感じ」
「仲良い奴らと花火とかした」