君と金魚、夜
「ん?」
「いや、えーっと…」
言葉に詰まる。
洸人さんに見られてる気がして上を見る。
その時だった。
「うっ、わ…」
その瞬間宙に浮いた気がしてふらつく。
頭がクラってして、体が後ろに倒れて行く。
気づいた時はプールサイドを踏み外しているのが分かる。
もうプール落ちるしかないんだって覚悟する。
「水希っ、馬鹿」
「きゃっ」
洸人さんは一瞬で立ち上がっていて、もう目の前にいる。
そして腕を洸人さんに掴まれる。