君と金魚、夜
「うっ、いったー…」
「ごめん」
あたしの体は後ろじゃなくて前に倒れていた。
スローモーションに前に倒れて、一瞬意識が途切れそうだった。
そして気がついたらあたしは洸人さんの胸の中にいた。
水中じゃなくて洸人さんの胸の中にいる。
なんだか恥ずかしくなる。
あたしは洸人さんにまたがるように、上から覆いかぶさっている。
洸人さんは寝っ転がっていてまだ動かない。
「えっ、あの…ちょっ…」
あたしが洸人さんから離れようとした瞬間、洸人さんがあたしの頭を胸に押し付ける。
洸人さんの大きい手に撫でられる。