君と金魚、夜
教室嫉妬
たった一週間ぐらいの夏休みが終わり、また補習が始まる。
夏休みで変わったことなんてほとんどない。
でも華ちゃんと遊びに行けて少し仲良くなれて、それから少し洸人さんに近付けた気がする。
それだけで踏み出せた気はする。
「あ、水希ちゃんおはよ!」
「華ちゃんおはよう」
朝学校に行くと決まって華ちゃんが挨拶してくれる。
「あー!水希ちゃんがイヤリングしてる!」
「うん、つけようかなって思って」
「似合ってる!」
最近は髪を少し伸ばしていて、イヤリングも見せようと思わなければ見えないようになってる。
「あたしも付けてるの!」
そう言って華ちゃんが見せてくれる。
華ちゃんのふわっとした髪とあたしと色違いのイヤリングの赤が似合ってる。