君と金魚、夜
不単純愛
「そこ、座って」
華ちゃんはいつもの笑顔で言う。
あたしが言われた場所に座ると、華ちゃんが隣に座る。
「水希ちゃん、素直に言うけどね、あたし水希ちゃんが好きです」
「ありがと、あたしも好きだよ」
「そうじゃないと思う」
「えっ?」
「女として、好きなの」
「え…」
「恋愛感情として、水希ちゃんのこと好き」
あたしにはよく分からなかった。
華ちゃんの言葉は耳に入ってるし、そんな感情があるのも分かるけど、理解できなかった。
「……」
「キモい?ウザい?」
「そんなこと思ってない!」
「水希ちゃん優しい、それにブレないし、そういうところ憧れて好きになったの」
「本気で?」
「本気だよ!本当の本当!」
華ちゃんは本気の目をしていた。