君と金魚、夜





「違う、ってはっきり思った」


「ありがとう」


「だから、その…」


「うん」


「好きです、付き合いたいとか思ってないし水希ちゃんに応えてほしいとも思ってないからこのままでいて下さい」


「うん、ありがと」




女の子に思われることは今までなかった。


というよりも人からこうやって好意を寄せてもらえることも無かったからあたしは嬉しかった。




「茅に酷いこと言って傷つけちゃった…茅のこと親友として本当に大切なのに」


「桐原さんなら分かってくれるよ」


「うん!茅に話す」





ちょうどその時チャイムが鳴る。




「授業受ける?」


「受けるよ、担任も怒ってるかもしれないし」




そう言って数学教材室を出る。





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