君と金魚、夜
「あっ」
数学教材室の扉を開けると春村先生が立っていた。
「あー、俺の授業サボって」
「そっか1時間目数学だったんだ」
「お前ら俺の部屋利用して…次のテスト覚悟しとけよ?」
「ごめんね、許して!大事な話だったの」
そう華ちゃんが言うと春村先生が優しく笑う。
「宮野、よかったじゃん」
「先生のおかげです」
春村先生が生徒から人気あるのが分かる気がする。
「…っていうか、春村先生ぶっちゃけ水希ちゃんのことどう思ってたんですか?」
「あ?西森?興味ねーよ。ただ成績よすぎてムカついてただけ」
「春村先生そんなことであたしにこき使ってたんですか?」
「俺はな、すっげえ気の強い女がタイプだからお前らに興味はない」
「あっそ、こっちだって無いよ」
そう華ちゃんがぼそっと言う。
「じゃあ次の授業からは出ますんで!」