君と金魚、夜





「あっ」




数学教材室の扉を開けると春村先生が立っていた。




「あー、俺の授業サボって」


「そっか1時間目数学だったんだ」


「お前ら俺の部屋利用して…次のテスト覚悟しとけよ?」


「ごめんね、許して!大事な話だったの」




そう華ちゃんが言うと春村先生が優しく笑う。




「宮野、よかったじゃん」


「先生のおかげです」




春村先生が生徒から人気あるのが分かる気がする。




「…っていうか、春村先生ぶっちゃけ水希ちゃんのことどう思ってたんですか?」


「あ?西森?興味ねーよ。ただ成績よすぎてムカついてただけ」


「春村先生そんなことであたしにこき使ってたんですか?」


「俺はな、すっげえ気の強い女がタイプだからお前らに興味はない」


「あっそ、こっちだって無いよ」




そう華ちゃんがぼそっと言う。




「じゃあ次の授業からは出ますんで!」





< 157 / 250 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop